この記事では、平均年収などのデータを見るだけでは分からないWebライターの年収のリアルについて、私の実体験を交えながら解説します。
未経験からでも着実に年収をアップさせ、将来的に年収500万〜1000万を目指すための具体的なロードマップも解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- Webライターの年収は副業か専業か、働き方によって月3万〜100万超まで大きな幅がある
- 収入額を決める要素は「単価」「執筆スピード」「商流(仕事の依頼元)」の3つに集約される
- 未経験者が年収を上げる最短ルートは、SEOなどのスキルを身につけて直接契約の案件を獲得すること
- 「やめとけ」と言われる主な原因は、低単価なクラウドソーシング案件で消耗し続けてしまうから
- 将来的にはAI活用やディレクション業務へシフトすることで、年収1000万円も十分に実現可能
Webライターの年収・収入は?【正社員・副業・フリーランス】

Webライターの収入は、働き方によって大きく異なります。
日本の平均年収である約460万円と比較すると、正社員やフリーランスの平均は同程度か少し下回る傾向にあります。
しかし、これはあくまで全体の平均値です。正しいスキルを身につけて高単価な案件を獲得できれば、平均を大きく上回ることも十分に可能です。
まずは、Webライターの収入事情を平均年収と中央値(ボリュームゾーン)の観点から見ていきましょう。
Webライターの平均年収と中央値
Webライター全体の公的な統計データはほとんどありません。
しかし、求人統計やスクールのアンケート調査などから、おおよその傾向が見えてきます。
実態をつかむために、平均年収と多くの人が位置している年収帯(中央値に近いゾーン)を表にまとめました。
| 働き方 | 平均年収 | 年収のボリュームゾーン (中央値の目安) |
| 正社員 | 約380万〜437万円 | 350万〜400万円 |
| フリーランス | 約408万円 | 300万〜500万円 |
| 副業 | 約113万円 | 50万〜100万円 |
数字を見ると、正社員Webライターは安定して300万円台後半から400万円台を稼いでいることがわかります。
一方でフリーランスは、平均こそ400万円を超えていますが、実際には年収200万円台の人もいれば1000万円を超える人もおり、格差が非常に大きいのが特徴です。
平均値は一部の高収入層によって引き上げられる傾向があるため、これから目指す方は「ボリュームゾーン」を現実的な目標として捉えることをおすすめします。
【スタイル別】年収の目安
さらに詳しく、働き方ごとの年収事情を深掘りしていきましょう。
企業のWeb担当者や編集者として働くスタイルです。
Indeedの統計によると、平均月給は約31.6万円、年収換算で約380万円※1となっています。
求人の多くは年収350万〜500万円の範囲で募集されていますが、編集や企画などの上流工程を任されるようになると、年収500万円以上も目指せます。
会社に属さず、案件ごとに契約を結ぶスタイルです。
ある調査によると平均年収は408万円ですが、内訳を見ると「201〜300万円」や「301〜400万円」の層が最も多くなっています※2。
その一方で、全体の数%程度ですが年収700万〜1000万円超を稼ぐプレイヤーも確実に存在します。
まずは年収300万円を稼げるかどうかが、専業として生活できるかの一つの壁と言われています。
本業の隙間時間を使って稼ぐスタイルです。
副業ライターの平均年収は約113万円で、月収に換算すると9〜10万円程度となります※2。
ただし、開始1年目は平均83万円(月7万円弱)であり、経験年数を重ねるごとに118万円、139万円と収入が伸びていく傾向があります。
※1:https://jp.indeed.com/career/web%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC/salaries
※2:https://chaptertwo.co.jp/media/web-writer-annual-income/
未経験・初心者の初期収入は?
「未経験からすぐに月10万稼げる」と思っていると、最初の現実に驚くかもしれません。
Webライターの報酬は文字単価で決まることが多く、初心者のうちは単価が低くなりがちだからです。
クラウドワークスなどのデータによると、文字単価の相場は以下のようになっています。
- 初心者ライター: 0.5円前後
- 一般的な記事: 1円前後
- 専門性が高い記事: 2〜5円程度
これを踏まえて、初期の月収をシミュレーションしてみましょう。
- 文字単価0.5円で月3万文字執筆した場合: 月収 1万5,000円
- 文字単価1.0円で月5万文字執筆した場合: 月収 5万円
このように、未経験から半年くらいの間は「月1万〜5万円程度」が現実的なラインです。
実際に、副業Webライターの約7割は年収100万円未満(月8万円未満)というデータもあります。
しかし、落ち込む必要はありません。最初は単価が低くても、実績を作って文字単価1円、2円とステップアップしていけば、月10万円以上は誰にでも到達できる数字です。
次章からは、その具体的なステップについて解説します。
年収が決まる3つの要素と仕組み

Webライターの収入の方程式は非常にシンプルです。
基本的には「単価 × 本数(執筆スピード)」で決まりますが、ここに「商流(誰から受けるか)」という要素が大きく関わってきます。
①単価(文字単価・記事単価)
②執筆スピードと案件数
③商流(どこから仕事をもらうか)
①単価(文字単価・記事単価)
最もわかりやすく収入に直結するのが単価です。
Webライターの報酬体系には、1文字いくらの文字単価と、1記事いくらの記事単価があります。
たとえば、同じ3,000文字の記事を書く場合でも、単価が違うだけで報酬にはこれだけの差が生まれます。
- 文字単価0.5円の場合: 報酬 1,500円
- 文字単価2.0円の場合: 報酬 6,000円
まったく同じ労力で記事を書いても、単価が高いだけで収入は4倍になります。
年収を上げるためには、低単価な案件をいつまでも続けるのではなく、スキルを磨いて少しでも単価の高い案件へスライドしていく意識が不可欠です。
特に、金融、不動産、ITといった専門知識が必要なジャンルや、検索上位を狙うSEOライティングができるライターは単価が高くなる傾向にあります。
②執筆スピードと案件数
単価と同じくらい重要なのが執筆スピードです。
いくら文字単価2円の高単価案件でも、3,000文字書くのに10時間もかかっていれば、時給は600円になってしまいます。
逆に、執筆スピードが速ければ、限られた副業時間内でもこなせる案件数が増え、結果として年収が上がります。
執筆スピードを上げるためには、タイピングの速さだけでなく、以下のような工夫が必要です。
- リサーチの手順を型化する
- AIツールを活用して構成案を素早く作る
- ショートカットキーを使いこなす
私自身も、Sierでの業務経験で身につけたPCスキルや、AIツールを積極的に導入することで、品質を落とさずに執筆時間を短縮しています。
③商流(どこから仕事をもらうか)
これが初心者の方に最も知ってほしい、重要なポイントです。
商流とは、仕事が発注されてからライターに届くまでの流れのことです。
仕事の依頼元が「誰」なのかによって、手元に残る金額は大きく変わります。
- 三次請け(クラウドソーシングなど):
クライアント → 制作会社 → クラウドソーシング → ライター (間に多くの仲介が入るため、単価が低くなりやすく、さらに手数料も引かれます) - 二次請け(制作会社・編集プロダクション):
クライアント → 制作会社 → ライター (法人の制作会社などから直接貰うパターン。マージンが減るため単価は上がりやすいです) - 直案件(クライアントと直接契約):
クライアント(事業会社) → ライター (企業のWebメディア担当者などと直接契約するパターン。中抜きがないため、最も高単価・好条件になりやすいです)
多くの未経験者は、手軽なクラウドソーシングから始めますが、そこは構造的に単価が上がりにくい場所でもあります。
私が文字単価1.8円の案件を獲得できたのは、クラウドソーシングを卒業し、求人検索エンジンのIndeedを使って企業のオウンドメディア担当者と直接契約(直案件)を結んだからです。
年収を大きく跳ねさせるには、この商流を意識して、より上流から仕事をもらう動きが欠かせません。
Webライターで年収500万~1000万を目指す5つのステップ

Webライターとして高年収を実現するには、やみくもに記事を書くだけでは到達できません。
自分のレベルに合わせて「戦う場所」や「売り方」を変えていく必要があります。
ここでは、未経験から年収1000万円を目指すためのロードマップを5つの段階に分けて解説します。
ステップ1:未経験からのスキル習得(SEO・構成作成)
ステップ2:実績と継続案件の土台づくり
ステップ3:高単価+直クライアントへのシフト
ステップ4:専門ジャンルへの特化と発信
ステップ5:ディレクション・マーケティング・AI活用
ステップ1:未経験からのスキル習得(SEO・構成作成)
最初のステップは、プロとして最低限必要なスキルセットを揃えることです。
「文章が書ける」だけでは、稼げるライターにはなれません。
クライアントは「検索順位で上位を取りたい」「商品を売りたい」という目的があって発注するからです。
まずは以下のスキルを習得し、年収300万程度までの土台を固めましょう。
- SEO(検索エンジン最適化):
Googleなどの検索結果で上位に表示させるための書き方 - 構成作成:
記事の骨組みを作る力です。ここがしっかりしていないと、質の高い記事は書けません。 - WordPress入稿:
書いた記事をWebサイトに投稿する作業です。これが入稿までできると重宝されます。 - リサーチ力:
ネットや書籍から正しい情報を素早く集める力です。
私は大学生時代の長期インターンシップでこれらのスキルを叩き込まれました。
独学でも学べますが、スクールや教材、あるいは私のようにインターンを活用して、体系的に学ぶのが近道です。
ステップ2:実績と継続案件の土台づくり
スキルを学んだら、次は実績(ポートフォリオ)を作ります。
どれだけ知識があっても、実績として提示できる記事がなければ仕事は取れません。
自分のブログを立ち上げて記事を書くか、クラウドソーシングなどの安価な案件でも良いので、まずは記名記事(自分の名前が出る記事)を増やしましょう。
この段階での目標は、単発の案件ではなく継続案件を獲得することです。
毎月決まった本数を発注してくれるクライアントを複数見つけられれば、収入は安定します。
ここで月25〜30万ライン(年収300〜400万)を目指します。 このラインに到達すれば、専業ライターとしても生活の目処が立ち始めるでしょう。
ステップ3:高単価+直クライアントへのシフト
ここが年収を大きく伸ばす分岐点です。
クラウドソーシングなどの仲介サイト経由の仕事ばかりでは、手数料や低い相場に縛られてしまい、年収アップには限界がきます。
そこで、制作会社や事業会社(一般企業)と直接契約を結ぶ「直営業」へとシフトします。
私自身、クラウドソーシングだけでなく、求人検索エンジンのIndeedを活用して数社に応募し、直接契約を獲得しました 。
その結果、文字単価1.8円という比較的好条件で契約できています。
また、単に書くだけでなく構成案の作成から任せてもらうことで単価交渉を行うのも有効です。
商流を上げ、担当範囲を広げることで年収500万ゾーンを現実的に狙えるようになります。
ステップ4:専門ジャンルへの特化と発信
さらに単価を上げるには、「何でも書けるライター」から「特定の分野に強い専門家」へと進化する必要があります。
金融、不動産、IT、美容など、自分の得意なジャンルを2〜3つに絞りましょう。
専門性を高めたら、ブログやX(旧Twitter)などで積極的に情報を発信し、「このジャンルなら〇〇さん」というポジションを確立します。
クライアントの売上やリード獲得(見込み客獲得)といったKPI(重要業績評価指標)まで意識した提案ができるようになれば、文字単価3円以上も夢ではありません。
この段階で、フリーランスなら月収50〜70万円が見えてきます。
ステップ5:ディレクション・マーケティング・AI活用
最後は、自分自身の労働力を切り売りするスタイルからの脱却です。
プレイヤーとしての活動に加え、以下の動きを取り入れていきます。
- ディレクション:
編集者として他のライターに記事を外注し、進行管理や品質チェックを行う。 - マーケティング支援:
SEOコンサルティングやメルマガの設計など、ライティング周辺の戦略支援を行う。 - AI活用:
ChatGPTなどのAIツールを駆使し、リサーチや構成作成、たたき台の執筆を爆速化させて生産性を極限まで高める。
私はインターン時代からAI活用やプロンプト設計を学んでいました 。
AIを「敵」ではなく「優秀な助手」として使いこなせるライターは、今後さらに需要が高まります。
これらの付加価値を提供することで、年収800〜1000万という大台を目指すことができます。
Webライターの「ひどい」「やめとけ」は本当?

GoogleでWebライターについて調べようとすると、「やめとけ」「ひどい」「オワコン」といった不穏な言葉が検索候補に出てくることがあります。
これから挑戦しようとしている人にとっては、非常に不安になる言葉です。
実際のところ、これらの噂は半分本当で、半分は嘘です。
私自身も「安売りして消耗した経験」や「AIに仕事を奪われる不安」を感じたことがありますが、それでも続けているのは、それ以上のメリットと将来性を確信しているからです。
ここでは、ネガティブな評判の正体と、そこから抜け出すための視点を解説します。
Webライターはやめとけと言われる理由は?
最大の理由は、低単価な案件で疲弊してしまう人が多すぎるからです。
未経験のうちは、文字単価0.1円〜0.5円といった極端に安い案件しか取れないことがあります。
例えば、3000文字の記事を3時間かけて書いても、報酬が300円(時給100円)にしかならないというケースも珍しくありません。
このように稼げない状態が長く続けば、誰でも「Webライターなんてやめとけ」と言いたくなるでしょう。
しかし、これはWebライターという職業自体の問題というよりは、稼ぎ方や案件の選び方を知らないことが原因です。
前述したように、スキルを磨いて直接契約や単価交渉を行えば、消耗するステージからは必ず脱出できます。
向いている人・向いていない人は?
Webライターは、向き不向きがはっきり分かれる仕事です。
私の経験や周囲のライターを見ていると、以下のような特徴があると感じます。
- 調べること・学ぶことが苦にならない人
文章を書く時間の半分以上はリサーチです。資料を読み込んでまとめる作業が得意な人は適性があります。 - 一人でコツコツ作業できる人
地味な作業の連続です。孤独な環境でも自己管理ができる人は強いです。 - 相手の意図を汲み取れる人
クライアントが「誰に」「何を」伝えたいのかを理解するコミュニケーション能力(社会人基礎力)が求められます。
- 「楽してすぐに稼ぎたい」と思っている人
スキル習得には時間がかかります。「スマホでポチポチするだけで月30万」のような世界ではありません。 - フィードバックを受け入れられない人
修正依頼(リライト)は日常茶飯事です。指摘を「成長のチャンス」と捉えられないと、精神的に辛くなります。
将来性は?後悔しない?
「AIが文章を書けるようになったから、Webライターはなくなる」
そんな意見もよく聞きますが、私は逆だと考えています。
確かに、ただ情報をまとめるだけの簡単な記事はAIに代替されつつあります。
しかし、AIを使いこなして構成を作ったり、AIには書けない「実体験」や「一次情報」を盛り込んだりできるライターの価値は、むしろ高まっています。
私も現在、AIを活用したプロンプト設計を学び、業務効率化に活かしています。
また、仮にライターを辞めたとしても、そこで培った「Webマーケティングの知識」「論理的な文章力」「SEOの知見」は無駄になりません。
これらのスキルは、どのような職種でも(例えば私の本業であるSIerの業務でも)汎用的に使える強力な武器になります。
スキルや経験が資産として残るため、Webライターを始めて後悔することはまずないと思います。
まとめ:まずはWebライターで月5万の副業収入を目指そう
Webライターの年収は、働き方やスキルによって大きく変わります。
最初は低い単価からのスタートになるかもしれませんが、正しい手順でスキルを磨き、商流を上げていけば、会社員の給料を超える収入を得ることも夢ではありません。
いきなり年収1000万円を目指す必要はありません。
まずは、私のように副業から小さく始めてみてください。 月に5万円の収入が増えるだけでも、生活の選択肢は確実に広がります。
まずは、クラウドソーシングやIndeedなどの求人サイトで「ライター 在宅」と検索してみてください。
意外と多くの「宝の山(高単価な直案件)」が眠っていることに気づくはずです。
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